「越境学習」でキャリアに風を。~制度づくりに関わった私のちいさな一歩~

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こんにちは。大塚ゼミ卒業生の宇高です。 今回は、大学院で学んでいた「越境学習」というテーマが、会社の制度として少しずつ形になっていった過程を、私自身の体験を交えてご紹介します。

学びが、会社の制度につながった瞬間

大学院では「越境学習」について研究していました。簡単に言うと、**組織の枠を越えて学ぶことで、人や組織にどんな変化が起きるのか?**というテーマです。

ある日、思い切って自社の人事部長に「こんな制度があったらいいな」と相談してみたところ、なんとCHRO(人事最高責任者)に提案する機会までいただけることに!

ちょうどその頃、会社でも「サバティカル休暇」の導入を検討していたタイミングだったこともあり、私の提案も前向きに受け止めてもらえました。

制度ができるまで:「ステップアップ休職」の誕生

復職後、人事部の皆さんと一緒に制度設計に関わらせてもらえることに。何度も議論を重ねて、少しずつ形になっていきました。

制度化までの流れ:

  • 3月:CHROに提言
  • 4〜7月:人事部と制度設計を検討
  • 8月:制度案が承認(一部有給)
  • 11月:CEOからも承認
  • 翌年1〜2月:経営会議での承認、社員説明会の準備
  • 3月:社員向け説明会を3回実施

そしてこの制度は「ステップアップ休職」と名付けられ、2025年上半期から正式にスタートしました。

📎 詳しくはこちらのリリースをご覧ください:
👉 マルイグループ公式リリース
https://www.0101maruigroup.co.jp/nr/25_0410_1

制度に込めた「リアルな声」

制度設計に関わる中で、私自身の経験や気づきも、少しだけ反映していただきました。

実は大学院に通っていた当時、経済的な不安や、会社とのつながりが切れてしまうことへの心配もありました。そんな背景から、「こんな仕組みがあったら、もっと安心して学べるのでは」と思い、人事の方々にお伝えしたことがあります。

その声を受けて、制度にはこんな工夫が盛り込まれました:

💰 国の給付金と同額の補助が出ること
🕒 有休を活用できること(一部有給)
💻 PCはそのまま借りられること
📚 休職中でも社内の学びやプロジェクトに参加できること

こうした細やかな配慮があったからこそ、安心して学びに集中することができました。制度の設計に関わった立場としても、利用者としても、「本当にありがたいな」と感じることばかりでした。

制度を“文化”にするために

制度ができたあとも、社内の勉強会や共有会で、自分の経験をお話しする機会をいただいています。

特に印象に残っているのは、2025年6月に行われた100名規模の共有会。
制度を実際に活用された社員の方々が登壇し、

「一度仕事を離れて挑戦したい目標があった」
「周囲の理解があったからこそ実現できた」

と語ってくださった姿に、私自身も大きな刺激を受けました。 制度を使った方だけでなく、周囲のチームにも良い影響が広がっていることを知り、「越境学習」の価値をあらためて実感しました。

人事部長の司会で実施された対話は、後日、社内イントラネットで動画公開されました。

これからも、学びのきっかけをつくっていきたい

私にとって「越境学習」は、研究テーマであると同時に、自分自身の働き方やキャリアを見つめ直すきっかけでもありました。

制度づくりに関わらせてもらえたこと、そしてそれを実際に活用する方々の声を聞けたことは、何よりの学びです。

これからも、制度を活かして挑戦する人たちをそっと応援しながら、自分自身も学び続けていきたいと思っています。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。