研究内容

修士論文:人的資本経営に資する越境学習の効果とその効果を高める要素について ~丸井グループへの提言を通じて~

研究テーマ:人的資本経営

論文名:人的資本経営に資する越境学習の効果とその効果を高める要素について

~丸井グループへの提言を通じて~

著者 :宇高 由紀子
人的資本経営に資する越境学習の効果とその効果を高める要素について検証し、丸井グループへ提言を行いました。経産省による人的資本経営推進の背景下、越境学習が企業価値向上に寄与すると推奨されている一方で、実際に取り組む企業は少ないという問題意識から、本研究はスタートしています。具体的には、越境学習の経験があることが、個人だけでなく会社へのプラス影響をもたらすこと、また越境学習の効果を高めるためには経営層・人事・上司の支援といった既存研究で推奨される要素に加え、ロールモデルの存在も重要であることを示しています。さらに、越境学習に関わる先行研究との違い(革新性)として、企業へのプラス影響を定量的に明らかにし、会社が越境学習の効果を高めるための関与方法を提言する点が挙げられています。

修士論文:アジャイル手法を用いたDXビジョン策定共有支援プログラムの提案

研究テーマ:DX戦略策定手法研究

修士論文:アジャイル手法を用いたDXビジョン策定共有支援プログラムの提案

著者 :大島祐子
中小企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上での第一歩として、DXビジョンの策定と共有を支援するプログラムを提案しています。提案した支援プログラムは、ワークショップ形式で実施され、アジャイル手法を取り入れてDXビジョンの策定と共有を促進します。本研究では、実際の企業でこのプログラムを適用し、DXビジョンの策定から共有までのプロセスを詳細に検証、そしてその有効性を確認しました。また、アジャイル手法の導入がDXビジョンの組織内定着に寄与することも考察しました。

アイデア発想モデル「AYモデル」の研究実績

研究テーマ:アイデア発想手法研究

AYモデルは、異なる「別領域」の要素を「組合せ」ることでイノベーションを創出するという理論に基づき、既存のアイデア発想手法に不足していた「別領域」との「組合せ」の促進を実現するために開発されました 。本研究では、ブレインストーミング、バリューグラフ、2軸図の構造シフト発想法といった既存の手法と比較実践を行い、主観的評価検証によりAYモデルの有用性を示唆しました 。

具体的には、AYモデルが「新規性」や「柔軟性」の発想において、他の主要な手法と比較して有意に高い評価を得られたことを明らかにしました 。さらに、アイデア発想のプロセスにLLM(大規模言語モデル)を補助的に活用することで、要素の「組合せ」による発想時間の短縮と効率化が可能であることを示しました。

異分野融合型のアイデア発想モデルとして、今後の実践的な応用において有望な可能性を持つことを提言しました。